Vision


第50代理事長

山田 秀士

2021年スローガン

志高く、熱くあれ

~想いを紡ぐ 未来へ繋ぐ


【はじめに。 「葛城」】

「私はこの街が好きだ。」

葛城地域から西の方角を見るとすぐそこには葛城山・金剛山・二上山が雄々しくそびえ、その山々は太古よりこの地が織り成す悠久の歴史を見守ってきました。そして今から50年前。一般社団法人葛城青年会議所は前身の社団法人大和高田・御所青年会議所としてこの地に誕生し、以後この街の変遷にも大きく関わってきました。そして時代は大きく変化し、私たちの周りはモノで溢れ、欲しいものはすぐに手に入る世の中となり、身の回りのヒトから直接モノを受け取る機会は減少しています。他者との関わりにおいてそのつながり方が多様化し、直接的な人とひとの触れ合い、人と地域との触れ合いが薄れていこうとする中で、「この街が好きだ」と声を高らかに叫ぶ人の数も減少傾向にあるのではないでしょうか。

私はこの葛城地域で生を授かり、幼少期から現在に至るまでこの街で成長させていただきました。幼少期に両親によく連れて行ってもらった公園も、思春期に友人たちとすこし背伸びをして出かけた商業施設も、また、学生時代に経験したアルバイトも、思い返すと今までの人生の多くの時間をこの街の中で過ごしてきました。私にとっては至って普通の日常の中にこの街の存在があり、地域の特性や魅力について、文化や歴史について、また、地域内の社会情勢のことについて等、仕事で接すること以外においては特段気にかけたことはありませんでした。葛城青年会議所に入会するまでは。

葛城青年会議所に入会してから様々な事業や例会を通して、また先輩諸兄との交流の中で、同年代の仲間がこの街の将来について熱く語り合い、知識を深め、知恵を出し合いながら真剣に議論をしている様子を目の当たりにしました。当時、入会から間もない私にとってはまさに異世界のようでした。「物事と真剣に向き合う」という学生時代から少し遠ざかっていた喜怒哀楽の全てを体感できる不思議な感覚が甦り、その中でこの街のことについて真剣に向き合えるようになりました。すると、当事者意識が芽生え、「この街が好きだ」と素直に思えるようになりました。

このような自分自身の経験を基に、今一度、先達がこの地に青年会議所を創立した創始の精神に想いを馳せ、私たち青年の手で、青年の行動で「この街が好きだ」と声高らかに叫ぶ人で溢れる葛城地域を創って参ります。

 

【地域社会から真に必要とされる団体となるために】

  戦後間もなく、「新日本の再建が我々青年の責務である」という想いで日本の青年会議所は立ち上がりました。「JCという団体は景気がいい時に、ちょっと時間がある時に片手間でやるものではない。そもそもJCというのは国難に準じたとき、その必要に迫られて生まれた団体だ。」これはある先輩から教わったことです。

今、激動する社会情勢の影響を受け、人々の価値観が大きく変わろうとしています。大きな視点では国家のあり方や資本主義そのもの、また身近な視点では働き方や消費経済活動、家庭の環境等、ウィズコロナ時代において、ニューノーマルへの転換はもはや社会全体のどの分野にも影響を及ぼしています。物量的価値観から質を求める価値観へと大きく転換していくこの時代に我々青年会議所に求められていることは何か、その真のニーズを掴まなければいけません。すなわち、社会に必要とされる団体となるためには、未来の社会の姿を明確にイメージし、そこに向けた活動や取り組みを行う必要があります。考え方として、過去からの延長線で手法を議論するのではなく、将来の課題とその課題を克服する姿を想定した上で、現時点から取り組むべき課題を整理することです。これはSDGsを実現していくための考え方と同じであり、そして、実行に移していける団体こそが地域社会から必要とされているのです。青年会議所だからこそできる活動は何かということを常に模索し、その事業が、その運動が、また一人一人の行動が、地域社会に必要なものか、そういったことを一人一人が考え、実行に移していける団体は必ず地域社会から必要とされます。私たちが人と地域を繋ぐ「接点」となり、地域共創を積極的に推進し、失敗を恐れることなく大胆に挑戦する気構えを持って行動を起こしましょう。答えは常に過去ではなく、未来にあります。

 

【創立50周年を迎えて】

一般社団法人葛城青年会議所は1972年9月19日に全国で516番目のLOMとして社団法人大和高田・御所青年会議所として誕生し、50周年目の節目を迎えます。創立からこれまで長きにわたり活動を展開し続けることができた背景には、まずもって地域住民、行政機関を始めとする各種地域団体の方々のご理解とご協力のおかげであったことは言うまでもありません。そして、50年の歴史を振り返り、その軌跡を辿るとき、そこには創始の精神があり、先達が腕まくりをし、この地域を明るく照らしていこうと意気高らかに情熱を注いでこられた光景が思い浮かんできます。創成期から現在の基盤を作り上げていただいた成熟期を経て、今から10年前の2011年、創立40周年の節目には「結いの心」運動が提唱され、人とひと、人と地域の繋がりの重要性を広く地域社会に訴えかけ、多くの共感を生み出しました。結果として、2015年の奈良ブロック大会葛城大会における「奈良マルシェ」や、2016年の創立45周年での「結いの心マルシェ」、また、2018年の近畿地区大会葛城大会における「結いの宴in葛城」においては、人とひとの繋がり、人と地域の繋がりを地域内外に発信できる機会となりました。そして、創立から半世紀という一つの節目を迎える本年は、葛城青年会議所が今日まで築き上げてきた地域社会との信頼関係をさらに強固なものとし、今後も持続可能な団体として運動を発信していくにあたり、過去の運動を振り返り、未来へ向けての運動の方向性を指し示していく必要があります。そして、歴史を築いてこられた先輩諸兄と共に節目を迎えることができた喜びを分かち合い、現役会員が今後の活動の糧と活力としてその英知と誇りを引き継いで参ります。現役会員全員が新たな時代の幕開けに当事者として立ち会う意識をつよく醸成すると共に葛城青年会議所の存在意義を内外に発信していく機会を創出します。創立50周年という注目される一年だからこそ、会員一人ひとりが志を高く掲げ、そして熱意を持って創立50周年の運動に取り組んで参ります。

 

【地域の明日を担う青少年の育成】

 地域の魅力とは何でしょうか。その地に息づく文化や歴史ももちろんその一つです。しかし、何と言ってもその地に住み暮らす人々の存在こそがその地を彩る最大の魅力ではないでしょうか。その魅力は一朝一夕で存在するものではなく、幾多の時をかけて培われてきました。古来より連綿と受け継がれてきた地域の独自性の中にある愛郷心を地域の明日を担う子どもたちにも育んでもらいたい。そしてやがて成長した子どもたちが夢や希望を抱き、次のステップへと羽ばたいていく時に、この葛城地域が各人の原点であり続けるためには子どもの頃から地域への愛着や誇りを持てるかどうかということが重要になってきます。そのためには地域の文化や歴史に触れる体験を通し、心豊かに相手のことを思いやる人間に成長してもらえるような機会を創出することで、その心の育成がやがて愛郷心の醸成に繋がり、この地域が持続可能なまちとして未来へと引き継いでいけることに繋がっていきます。

 

【会員拡大と育成について】

  「1人では愚痴、10人集まれば声、100人集まれば力になる。」

同志が増えると大きなパワーになります。ひいてはそれがまちを良くしていくことにつながります。青年会議所が誕生して以来、一度も途切れることなく続いている活動は、この会員拡大です。手法を論ずる前に一時間の時間があるなら人に会いましょう。行動に移すことが全てです。本年は会員全員の担いとして会員拡大活動を位置付けます。そして、大切にしたいことは、入会していただくまでが拡大活動ではないということ。仲間としてお迎えする以上は、地域を力強くけん引できる立派な青年経済人として成長していただくために継続的なサポートを行って参ります。冒頭でも述べましたが、入会する前と入会した後で街に対しての意識や自分自身に対しての意識が変わることができるのは青年会議所の大きな特徴です。これが「JCにしかない」唯一無二のものです。意識が変わるとどうなるか。人の為、まちの為を自然と考えることができている人間になっています。自分のことだけを考える人より、人の為、まちの為を考えることができる人が多く存在するまちはきっと魅力あるまちとなっています。だから同志を迎え入れる会員拡大と意識を変える人材育成が必要なのです。

 

【奈良ブロック協議会との連動】

2021年度は葛城青年会議所から奈良ブロック協議会に会長を輩出します。9つのLOMで構成される奈良ブロック協議会には奈良県内の志を同じくする仲間が集まり、己を磨く場として私自身も過去に出向させていただく機会がありました。そこで知り合い、共に事業構築に向けて汗を流した仲間との間にはLOMを越えた絆が育まれ、その輪が大きく拡がっていくことが自分自身の財産となります。また、奈良県全域に根を張り、大きく拡がる輪こそが、ブロック協議会のスケールを活かした魅力の一つでもあり、本年はこのスケールメリットを活かし、私たち葛城青年会議所の運動を大きく発信できる絶好の機会と捉えます。たくさんの発見と大きな学びを得ることができる奈良ブロック協議会の事業に積極的に参画するとともに、輩出した仲間が責任を持って一年間務めることができるよう協力体制を構築します。

 

【共に拓き、共に創る葛城の未来】

私たち葛城青年会議所の運動は私たちだけで為し得るものではありません。時には行政機関と、また時には地域住民、地域団体、そして時には志を同じくする各地青年会議所の仲間と共に手を携え、共に活動を展開して参りました。しかし、それは先輩諸兄が積み上げてこられた信頼と実績の上で成り立つものです。2021年度はこの連携をさらに深化させていくためにまずは私たちの運動の方向性を地域社会へとお示しし、カウンターパートの共感を生み出します。そして共鳴を作りあげていく。具体的には、これまで私たちがある社会的課題に目を向け、その解決のために時には行政機関や関係諸団体、市民の方々に呼びかける形で連携を図り課題解決へと導いてきました。本年度はカウンターパートが抱える地域課題に対してもアンテナを張り巡らせ、関わり合いを持ち、私たちの持てる力を存分に発揮していきます。そして、パートナーシップをより強固にし、さらに開かれた関係性を構築します。葛城青年会議所という「点」から他団体との「線」へ。そして「線」から地域社会全体という「面」へ。その中で社会的課題の解決を通してプラスの要素を付加した新たな価値を社会に創出していける存在になるべきだと考えます。共に拓き、共に創る葛城の未来を目指し、地域社会を巻き込んだ運動を展開していくことで明るい豊かな社会の実現に向け、会員全員が行動を起こして参ります。

 

【結びに】

  「志定まれば、気盛んなり」

吉田松陰の言葉です。「人は目標がはっきりと定まり決心がつけば、意気が高まり、その実現に向けて全力を尽くすことができる」という意味です。青年会議所活動を通じて、自らの志や、人生においての目標が発見できればこの門を叩いた最大の意味となすでしょう。自分はこの志をもって世の中に貢献できる、この目標があるから自己成長ができる。そういったものを発見できれば幸せです。人生で大切なことは発見をすることです。何かを発見する為に人は生きています。私は2021年度、会員の皆様と共にこの新たな発見の旅をしたいと思います。

そして創立から50周年の輝かしい節目を迎える本年、この愛してやまない葛城の地が、持続可能なまちとして次の時代へとバトンを繋いでいけるよう、全身全霊をかけて青年会議所活動に邁進して参ります。

先人の想いを紡ぎ、志高らかに、そして誰よりも熱く行動して参りましょう。

「この街が好きだ」と叫ぶ人で溢れる、輝かしい葛城の未来のために。