はじめに
私は生まれも育ちも御所市で、地元で事業を営む父から多くを学び、地域から離れることなく今日まで生活してきたため、地域に対してはとても深い思い入れを持ち過ごしてきました。そして父から事業を継承し、毎日の仕事はとても楽しいものでした。しかし、自分自身と事業の成長を求める気持ちは日に日に強くなり、次に何をすべきか、どう進めばいいのかわからず悶々と過ごす毎日でした。そんな時、葛城JCが主催する異業種交流セミナーに誘われました。正直、参加することは面倒だと感じていましたが、このままでは何も変わらないと、変化を求め思い切って参加しました。そのセミナーに参加し、葛城地域のことを考え、真剣に取り組んでおられる葛城 JC の先輩方と初めて出会うことができました。それまで私は地域の事を考え何か行動を起こしている方々というのは自分とはかけ離れた全然関係のない人たちのことだと思っていたのです。自分は生まれ育った地域への深い思い入れがあるにも関わらず何も行動を起こしていませんでした。しかし、先輩方の自分たちが住み暮らす地域のことを真剣に考え行動し、そしてメンバーを信頼しているが故の熱い議論に私は衝撃を受けました。その日の体験をきっかけに、私は葛城 JC に入会することを決めました。それ以来、JC の活動に取り組み、運動に参画するようになり、日常の生活だけでは体験できないような様々なことを経験させていただきました。 よく、JC しかなかった時代からJCもある時代になった、と言われます。しかし私は、JCで得られる経験や学びを通しての地域との繋がり、また同じ地域を思うメンバーたちとの友情は JC でしか得ることのできない宝物であると信じています。地域とはかけ離れたなにかではなく、私たちが創り上げるものであり、私たちの家族や友人や会社が地域を織り成す一部なのです。メンバー一人ひとりの成長と幸せが、この葛城地域の明るい豊かな社会の実現への一歩目であると信じ、当事者意識を強く持ち、全員で活動し運動を展開してまいりましょう。
自身のために ~JCで得られるもの〜
JC で得られるものに、新しい知識、能力、人脈をはじめ様々なものがあります。まずは、いろいろな目線からみた新しい考え方や新しい技術など、幅広い知識を得ることができます。続いて能力は議案書を書くことで、広報をしたり、資料を作ったりといった IT 能力や、スピーチやプレゼンテーションなどの人に伝える能力、関係を作る能力、会議などで説得し、合意形成を得る能力、そして話に耳を傾ける能力等のコミュニケーション力が身につきます。そして人脈は、仕事だけでは出会うことのできない様々な業種や、自分とは違う人生経験を積んだ同年代のこれまでに会ったことのない人との人脈を得ることができます。しかしこれらのことは、入会するだけでは得られません。自らが JC 活動に積極的に取り組み、いろいろな場に参加することによって初めて得られるものなのです。そして参加すればどこにでも必ず自分のためになる学びがあります。JC は時間の作り方、使い方を学ぶ団体でもあると言われます。時間を作りだすことは非常に大変なことですが、40 歳までという限られた時間の使い方を真剣に考え、信頼できるメンバーと共に過ごし、積極的に自身の成長のためにJC活動に取り組みましょう。
未来へつなぐ組織作り ~さらなる未来へ~
先輩方が紡いでこられた葛城 JC を未来へ繋がる組織としていくためには、メンバーを信頼し思いやりを持って接することが非常に重要であると考えています。葛城 JC は、多種多様なメンバー一人ひとりが力を結集させ、互いを信じ合い、協力し合うことで、様々な事業を展開してきました。信頼に勝るチームワークはなく、この信頼こそ、私たちが地域に必要とされる団体であり続けるために最も重要なのです。そして私たちが築き上げていく信頼し合う組織は、思いやりを持って接することによって創られると考えています。思いやりとは、自分以外の人のために気遣いをすることです。委員会や会議の場を始め、意見交換をする際において時には意見が衝突することもあると思います。しかしすべてのメンバーが思いやりの心を大切にし、互いに敬意と温かさを持って接することができれば意見がより建設的なものとなり、より一層強固な絆で結ばれ、真のチームワークを実現できると信じています。
会員拡大 〜新たなメンバーとの出会い〜
会員拡大の本質とは一体何でしょうか。明るい豊かな社会を築くために、地域を愛し、志を同じくするメンバーとともに成長し、そのメンバーと歩み続けたいと願う友情ではないでしょうか。会員拡大に取り組む際には、この人と一緒に地域の未来を考えたい、一緒に成長したい、といった友情の気持ちを抱いて取り組んでほしいと思います。また、JC の存在意義や目的を理解してもらうために、我々葛城JCの日々の活動や運動を広く発信することも大切であると考えます。 しかし、JCはどのような団体ですか、JCに入って本当に成長しますか、と聞かれて、自信を持って回答できるメンバーはどれだけいるのでしょうか。私は JC に入会していなければ得られなかった学びや、出会う事のなかった人に数多く出会いました。人は人によって磨かれ成長します。JC のメンバーが心から思い合い、強固な絆を築くことで、自らの人生を豊かにすることができます。また、人が増えることにより、多様性が高まり、異なる経験、異なる視点からのアイデアを得ることができ、メンバー一人ひとりが葛城 JC に魅力を感じれば会員拡大は益々加速します。入会してもらうことのみが会員拡大ではありません。メンバーを思い、会員拡大の本質を理解し、葛城JCの未来を考え、一年を通して様々な事業を拡大の機会と捉え、共に成長し続けられる新たなメンバーを迎え入れましょう。
地域共創 ~共に拓き共に創る葛城の未来〜
明るい豊かな社会とは、我々葛城JCだけで築き上げることができるでしょうか。よりよい社会、持続可能な地域とは葛城 JC だけではなく、行政を始め様々な団体や人と共に創りあげていくものではないのでしょうか。この葛城地域には市町ごとに異なる様々な課題や問題があります。しかし、我々同様に地域を愛する人々が集まった様々な団体が存在しています。地域の声を聴き、我々のみではなく、地域の方々や団体とのパートナーシップで解決し、共に地域の未来を切り拓き共に創りあげていく、これこそが我々が住み暮らすまちを持続可能な地域へと押し上げていく一歩目となります。 創立50周年の運動指針である地域共創には、葛城JCは目の前の課題解決を通してプラスの要素を付加した新たな価値を社会に創出できる存在であるべきだと明記されています。創立50周年の運動指針を掲げて 4 年目となる本年、我々葛城 JC が声を上げ、カウンターパートとさらに密な連携のもとに協働し、課題解決に取り組んでまいりましょう。それこそが我々の存在意義であり、2026年に創立55周年を迎え、今後も葛城地域を明るく照らし、豊かに創造し、力強く牽引していくための運動を行う意味であると考えます。
地域の子どもたち ~未来に種をまく〜
持続可能な地域とはどのようなものでしょうか。また、葛城地域にはどのような未来が訪れるのでしょうか。我々が考えなければならないことは、地域の未来を担うのは地域の子どもたちであるということです。私が様々な青少年事業を通して非常に印象に残っているのは、葛城地域の子どもたちは、すごく純粋で、素直で、真っ直ぐで、思いやりに満ちあふれているということです。葛城地域には数多くの歴史や文化、伝統、素晴らしい自然にあふれています。私が幼少期のころには地域でのお祭りや盆踊り、また目の前にそびえたつ金剛山を登山するといった、自分の子どもたちにも経験してほしい地域に根差した行事が多々ありました。今後葛城地域を担っていく子どもたちにもこれらのすばらしさを伝えましょう。そして、幼少期に体験したことが、地域で過ごした思い出として残り、子どもたちが大人になっても住み続ける持続可能な地域に繋がるのではないでしょうか。今現在の課題や問題を解決することももちろん重要ですが、未来に種をまく、これも我々葛城 JCが地域に必要とされるためにも重要な役割であると考えます。
終わりに
JC 活動は一人でできるものではありません。なぜなら、日頃から JC 活動に取り組み、運動に参画できていること、そして自分一人で活動していると思っている時でも、自分自身以外の誰かが自分のことを思っていてくれているおかげだからです。その誰かのことや、自分のことを、地域を織り成す一部だと認識して JC 活動に取り組まなければなりません。地域とは自分と少し離れた独立した何かではなく、自分自身の周りの人たちや物や文化、伝統が、我々がよりよくしていかなければならない地域そのものなのです。地域のために活動するということは、すなわち家族や友人や自分と関わりのある方のために活動するということです。 地域と共に創りあげていく未来、そこには必ず自分の笑顔はもちろんのこと、家族や友人や関わってくれている地域を織り成すみんなの笑顔があふれていなければなりません。その笑顔を一つでも多く増やすためにメンバー全員で成長して参りましょう。 一滴の雫が小川になり、やがて天下を潤す大河となるように、葛城JCのメンバー一人ひとりの活躍が一滴の雫となり、いずれ葛城地域を潤す大河となると信じ、共に走り抜けましょう。