はじめに
私は大学生から社会人にかけての約15年間を海外で過ごしてまいりました。高校生まで暮らしていた地元と、海外で生活したまちは、文化や習慣、さらには貧富の格差に至るまで大きく異なっていました。世界の多様さを肌で感じてきた私にとって、地元は常に心の拠り所であり、その存在の大切さを強く意識してきました。
2020年春、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るう中、地元へ帰ってまいりました。地域のために何かしたいという思いを抱きながらも、相談できる友人もいなく、地元のまつりやイベントもすべて中止となり、具体的な行動を起こすことはできませんでした。ある時、取引先の社長が葛城青年会議所のOBであることを知り、入会前に青少年事業へ参加させていただく機会を得ました。地域のためにこんな活動をしている団体があるのか、ここなら人とのつながりが生まれるかもしれない。そう感じ、入会を決意しました。
入会してからは、衝撃の連続でした。ひとつの事業を細部にわたり議論し、その完成度を高めていく姿勢。その根底には、地域や子どもたちを思う強い気持ちがありました。ビジネスにおいては利害の有る関係が多い中、純粋な情熱と行動力を目の当たりにし、心を打たれました。そして、様々な活動をしていくなかで青年会議所が掲げる三つの信条、奉仕、修練、友情がすべての基礎になっているということを感じました。それは地域のために、自らの成長のために、そして共に歩む仲間のために活動しているということです。
全員が主役となり一歩、前へ進むことで、必ず地域に新たな変化を生み出してまいります。
子どもたちの未来
葛城地域の未来を切り拓いていくのは、ほかならぬ子どもたちです。子どもたちが様々な経験を積み、地元の魅力や誇りを心に刻むことこそが、将来このまちを支える力となります。たとえ進学や就職で一度地元を離れたとしても、帰りたいと思えるまちであるために、私たち大人が環境を整えることが大切です。子どもたちが真剣に向き合い、多様な感情を経験することで、未来への礎が築かれていきます。大人になり社会に出ると、目標を持ち行動することが求められます。子どもたちに目標を持ってもらい、その目標にどう取り組むかを考える姿勢を作ることにより築かれていきます。成功しても失敗しても、それを糧にして一歩、前へ向かう姿勢を持つことが、やがて次の時代を動かす力へと育っていきます。私たち葛城青年会議所は、子どもたちが地域の良さを感じ、自らの未来を信じることができるよう、子どもたちに心を寄せ続けます。
地域共創
葛城青年会議所の活動エリアは広く、私たちの目の前にある課題は市町によって大きく異なります。異なる課題を共に解決することも私たちの重要な責務です。そして、違いを乗り越えて地域をより良くしていく根本には、常に人と人とのつながりがあります。私たちが真剣に考え、行動することは、多くの人の共感を呼び起こし、その輪が広がることでやがて大きな運動へと育っていきます。一つの取り組みが他の団体との交流を促進し、それは自分たちの住むまちを変え、未来を形づくる力となります。そのためには、我々が単独で活動するのではなく、あらゆる機関とパートナーシップを形成し、協働を続けていくことが必要です。互いの強みを活かし合うことが、新たな付加価値を生み、地域の課題解決により大きな力を発揮することができます。
一人ひとりのメンバーが、それぞれの地域においてリーダーシップを発揮することで、まちや地域の中心的存在となり、仲間や地域団体とともに運動を展開していくことが、その積み重ねが、葛城地域の活性化を実現し、未来への確かな礎となるのです。
人財育成
青年会議所の大きな価値の一つは、自らのためにも活動できることです。私は青年会議所を通じて、全てのことに真剣に取り組むことを学びました。これまで気づかなかったことや、避けてきたことに向き合ったからこそ、学ぶ機会が数多く与えられました。その中には、新たな役職や役割といった一歩前へ進むための挑戦、そして自らの資質を向上させる学びの場が用意されています。しかし、一つひとつの機会を活かすのも活かさないのも自分次第です。メンバー全員がこのような機会に積極的に取り組み、また仲間の参加を促すことが明るい豊かな葛城地域を先導していくリーダーシップを形成する第一歩になります。その機会が何のためにあるのかを前向きに捉え、自分事として取り組むことこそが不可欠です。
また、労働力不足に起因し我々の地域でも多くの外国人労働者の方を見かけるようになり、社会情勢が変化しております。こうした社会変化に対応出来るリーダーとなるためには、まず異文化への理解とコミュニケーション能力を身につけることが必要です。外国語が話せなくても、異文化への理解を深めることが、コミュニケーション能力の向上に繋がり、今後の葛城地域を牽引するリーダーに必要な要素となるのです。
これからの仲間
地域の課題を解決し、未来を築くためには、今の力をさらに大きな運動へと発展させていかなければなりません。そのためには、より多くの仲間の存在が必要です。青年会議所活動を通じて人として成長できる知識、人脈、経験を得られる機会を創出し、今の青年経済人が何を求めているかを追求することが必要です。私は青年会議所の様々な事業に関わり、人のために動くことをより学ぶことができました。社業だけでは会うことのできない多くの人に関わることで、自分自身も磨かれていることを日々感じています。一方で、私たちは青年会議所に入会した後の活動で、青年会議所に入会したメリットを知ります。何をやっているか外からは見えない団体に魅力を感じることはできません。私たち一人ひとりが青年会議所運動を通じて得た想いや学びをしっかりと言葉に表し、これからの仲間へと伝えることが共感を呼び、会員拡大に繋がると信じています。
このような取り組みにより、多様な仲間が加わり新しい考えに触れることができ、さまざまな視点やアプローチから運動を展開することが可能となります。そしてその広がりは、私たちの活動をより豊かにし、地域に確かな変化をもたらす原動力となるのです。
仲間との絆
共に運動を進めていくためには、私たちメンバーが同じ方向を見つめ、心を一つにして取り組むことが必要だと考えます。そのためには、互いをよく知り、相手を思いやる姿勢を持つことが欠かせません。友情とは、ただ共にいることではなく、相手に言われなくても同じことを考え、行動できるような深い関係性の中で育まれます。そしてその絆は、新たに加わる仲間を温かく迎え入れる姿勢を育み、地域に対する想いや志を分かち合うことで、さらに強固なものとなっていきます。このような友情の絆が常にあるからこそ、私たちは困難に直面しても共に乗り越え、互いを高め合いながら地域に新たな変化をもたらすことができるのです。
おわりに
本年、葛城青年会議所は創立55周年を迎えます。これまで先輩方が築き上げてこられた地域や各種団体からの信頼を、私たちは確かに受け継ぎ、未来へとつないでいかなければなりません。一つひとつの事業を誠実に取り組み、着実に成果を積み重ねていくこと。それこそが地域からの信用となり、やがて揺るぎない信頼へとつながっていきます。
55周年という節目は、ただの通過点ではなく、次の5年、10年を見据えた新たな出発点です。先輩方が積み重ねた歴史に感謝しつつ、私たち現役世代が新しい挑戦に踏み出すことで、葛城青年会議所の価値をさらに高めてまいります。
私たちは、同じ場所にとどまることなく、常に一歩前へ進む勇気を持ち続けます。地域のために、仲間のために、そして未来を担う子どもたちのために。55周年の節目を新たな出発点とし、力強く一歩、前へ歩みつづけましょう。