【はじめに】

少年時代、優越感のど真ん中にいた。父の影響で少年サッカーと空手に明け暮れ、常に体を動かすことについては自信を持っていた。しかし、そんな私が実現出来ず、唯一コンプレックスを感じていたことは、何をやっても1番になれなかったこと。

どれだけ努力をしても届かない、1番になれない自分がいた。

物心ついたころからクルマが好きで、レーシングドライバーになりたいという夢を持ち続け、中学3年生の時に門を叩くことが出来た。レーシングカートの世界は競争社会の最たるもので、コンマ1秒遅れても負けは負け。1番になれなかった私は、この世界でもなかなか1番になれず諦めそうになっていた。そんな時、黙って見守ってくれていた母親から一通の手紙を貰った。

「あなたはドライバーとしてのセンスはないかもしれないけれど、諦めないということに関してはセンスがある。思う存分勝つまでやり続けなさい」

その後、努力に努力を重ねついに表彰台の頂点に立つことが出来た。こんな私でも1番になることが出来るのだということに自信が持てるようになった。私には人より秀でた物は少ないが、あえていうならば「諦めの悪さ」だけは負けない。決して諦めないことが成功へ向けて走り続ける、私の原動力になっている。          



【届かないところに届けたい事業】

「明るい豊かな社会」の実現に向けて今やらなければいけないことを考えましょう。参加したいけれども参加出来ない人や、事業が存在していることすら知らない人もいるはずです。地域の人たちに向け、どの様な事業をすれば良いのかを今一度深く考える必要があると思います。地域に根ざす事業とはこれらを解決して初めて達成出来ることではないでしょうか。我々が発信する運動がどんなに素晴らしいものであったとしても、参加してもらいたい人に届かなければ、その思いを伝えることすら出来ないまま事業が終わってしまいます。事業の手法を考えること以上にその事業がもたらす効果や、どのあたりに届いて欲しいのかということまでしっかりとイメージし、青年会議所の事業が地域のたからと言われる事業となるように、前進的な進化を決して諦めることなく進めて行きましょう。



【結いの心】

2011年3月11日、我が国に東日本大震災が発生いたしました。また県下においても台風による大きな被害に遭遇しました。メディアを通して報道される未曽有の事態において自身の無力さを感じました。しかしその様な状況下にあっても、日本全国各地から被災地に向かう自衛隊、警察の姿に勇気づけられ、日本人が失っていた本来の精神性を取り戻すことが出来たように感じます。社団法人葛城青年会議所も震災後すぐに義捐金の募金活動や支援物資の窓口になり、葛城地域から出来ることを行いました。この震災で多くの葛城地域の方々は、誰かのために一生懸命になるという大きな波を市民の意志で起こし利他の精神が呼び起こされたはずです。この精神こそ現代における「結いの心」ではないでしょうか。今後、葛城地域が「結いの心」でひとつになり、日常の中で当たり前に互助の精神が宿ることを信じて、葛城地域に根ざした運動を決して諦めることなく推し進めていきましょう。



【真のリーダー育成が出来る組織へ】

 家族や会社から青年会議所に送り出してもらっている我々には、少なくとも人間的に成長し学んだことを家族や会社に持ち帰り、活かす責務があります。青年会議所で学ぶことは、ただ単にその組織を学ぶことではありません。四市一町から青年経済人が集まり情報交換し、世の中がどうなっているのかを知ってそれをどう活かすか、今時代はどの方向に進もうとしているのかということを学ばなければなりません。私たちが運動を通して学ぶべきことは青年経済人としての社会性を身につけることでしょう。青年会議所は互いに意識し合い人間性を磨く「青年の学び舎」であるべきだと思います。

昨今、我が国にはリーダー不在と言われますが、この地域を牽引する青年層である私たちは、「真のリーダー像」でなければなりません。真のリーダーとは単に人の上に立つ人や、人を自分の思い通りにコントロールする人、我こそが一番だと言い放つ人ではありません。肩書きで語らず自分の言葉で語り、聞く耳を持ち、「やりたいこと」ではなく「やらなければいけないこと」を決して諦めることなく実現する人、常にインターミディアリーとしての立場で地域に根ざした運動を清々しく展開することが出来る人が、地域から必要とされるリーダーに他なりません。

その様な真のリーダーが集結する団体が理想の組織となるはずです。理想の組織とは「明るい豊かな社会」を理念とし、卓越したリーダー育成が常に形成され、損得勘定で物事を判断するのではなく「結いの心」を持ち、互いが諦めることなく成長するために本音で語り合える組織。常に先を見据え、明確なビジョンを持ち、実現しようとする情熱とエネルギーを持った凛然たる人物を育成出来る組織であると言えるのではないでしょうか。真のリーダーを育成できる組織を目指しましょう。



【LOMから始まる最強のコミュニケーション】

あなた以上にあなたのことを知っているメンバーはいますか。LOMを誇りに思いメンバーとの出会いに感謝し、共に活動出来ていることに奇跡を感じませんか。日常私たちがメンバーや家族、会社のスタッフと当たり前の様にしていることが実は当たり前ではない、人は皆それぞれに時間は限りがあると感じた時、その場その時を一生懸命その人たちと全力で後悔のないように関わろうとするのではないでしょうか。365日平等に与えられたこの時間を精一杯大切にしていきましょう。

私たち社団法人葛城青年会議所は、1972年の創立以来、まちのために汗を流してきました。その原動力はまちへの愛着心・郷土愛であると同時にメンバー同士の友情だったに違いありません。諸先輩方が築いてこられた「創始の精神」に触れ仲間が傷つき打ちひしがれたときは惜しげもなく手をかそうじゃないか。この精神こそ今まさに私たちが学ぶことではないでしょうか。まず私たちが「結いの心」を持ち、自身を磨く必要があります。40歳という卒業の年になった時を想像し、どんな自分であるかを明確に描き、決して諦めることなく挑戦し続けましょう。「ダイヤがダイヤでしか磨かれないように、人は人でしか磨かれない」社団法人葛城青年会議所がどこにも負けない最強のコミュニケーションをもち、結束した青年会議所を目指しましょう。



【市民の心を動かすインパクトある事業構築】

 昨今これだけ「利己主義」「刹那主義」が蔓延しているという悲観論が大半を占める中、本当に市民の心を動かすインパクトある事業など実現するのでしょうか。かつて我々の諸先輩方も私たちと同じ思いに陥ったに違いありません。そのなかで数多くの事業を成功され、未だに継承している事業も数多くあります。地域から本当に求められていることに耳を傾け、決して諦めることなく運動を続ける必要があります。今後我々は世の中の変化に対応しながらインターミディアリーであるという立場を維持し、自治会や様々な団体とタイアップすることが必要になってくるに違いありません。また、青少年育成事業では子どもたちが「諦めなければ夢が叶うんだ」と自信と誇りを持つことの出来る事業構築、子どもたちが目を輝かせる様な事業を提供してまいります。

各地域で行われている夏祭りや秋祭りは、地域に根づいたインパクトある行事の一つだと言えます。これらの祭りには世代を超え、人々の心を魅了する力があり、多くの人々が集まり賑わう力があります。祭りの様なインパクトある事業が人を集め、地域に発信する力がさらに強くなる、結果として我々が地域からより必要とされる団体となる可能性を秘めています。我々はそういった視線で今後の事業を考える必要があります。今年は青年会議所の発信力に繋がるよう事業を構築してまいります。

同時に事業の効果を上げるためには、志同じくするメンバーの拡大が急務であります。勧誘だけに頼るのではなく、我々の運動そのものに賛同して頂ける様な姿を、決して諦めることなく魅せていきましょう。



【変わらないために変わる】

私の敬愛する歴代理事長の一人がこんなことを言っておられました。「人生の中でJC現役時代ほど楽しくて勉強させてもらったことはない。」今、メンバーは同じ様な気持ちで青年会議所活動を出来ているでしょうか。この楽しいという感覚は全メンバーが同じ夢を抱き、高い山をみんなで登り、事業を達成出来た人達にしか言えないことなのではないでしょうか。先輩が後輩の面倒を最後まで見る、互いに解りあえるまでとことん話す、互いが成長し合い、認め合い、助け合おうというスタンスから成り立った組織であったに違いありません。社団法人葛城青年会議所にはそんな伝統、風土が脈々と培われているのです。今こそ「変わらないために変わる」という前進的な進化を遂げる大きなチャンスです。入会浅いメンバーと、青年会議所に入って何を求めているのか、自分にどんな未来があると思いこの組織に入会したのかをとことん話し合う機会をつくります。我々が「結いの心」を持ち、メンター・メンティの関係を強固なものとすること、伝えられてきたものを諦めずしっかりと継承する必要があります。

変わらないために変わるとはただ単に何もしないという意味ではなく、変化に恐れることなく前進することです。過去の体験にとらわれ過ぎることなく時代にあった効果的な組織変革を進めていく必要があると思います。メンバー全員が確固たる信念を持ち、決して諦めることなく進化していきましょう。



【終わりに】

青年会議所運動を展開している中で、結果的に思ったほど成果が上がらなかったり、時には地域に必要だと思って展開する事業に市民が関心を示してもらえなかったりすることがあります。しかし、「明るい豊かな社会」の実現のために、決して諦めることなく様々な事業に挑戦し、多くの方に我々の運動を知って頂く機会をつくる必要があります。地域のために全力で取り組み、費やした時間や労力は、必ず報われると信じ運動を進めましょう。

2012年度、全メンバーと一緒に最後まで決して諦めることなく夢を追いかけていくことを誓い、社団法人葛城青年会議所第41代理事長として邁進してまいります。





 
  社団法人
葛城青年会議所 事務局

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